なぜ投資で勝てないのか?(損小利大とプロスペクト理論) 超重要

投稿日:2018/04/16 更新日:

今回は、損小利大、についてお話しします。

 

何故投資で勝てないのかの原因究明にもつながります。

 

(1)損小利大とは

トレードの世界では、
勝率100%ということはあり得ません。

 

ですので、必ず負ける時があります。

 

特に、順張り、
ブレイクアウト系の手法を用いた場合には、
勝率は低くて、
せいぜい30%くらいと思っていた方が良い、
というお話もしました。

 

これでどうやって収益をプラスにできるのか
その仕組みが、
・負けたときの損失を小さくし、
・買った時の利益を大きくする、
損小利大、ということになります。

 

例えば、具体的に、

・勝率  30%
・資金  100万円
・損切り 2%(=2万円/回)
・回数  10回

のように仕掛けるとします。

 

すると、

・勝ちは 3回
・負けは 7回

となりますので、トータルの損失は、

=100万円(投資額)× 0.02(損失率)× 7回
= 14万円

となります。

 

よって、
3回の勝ちで、
この損失を超える利益を出すためには、

利益
=100万円(投資額)× X(利益率)× 3回
≧ 14万円

したがって利益率は
≧ 14万円 ÷(100万円(投資額)× 3回 )
= 約0.05
= 約5%

を確保しなければならないということになります。

 

つまり、たとえ勝率30%の手法でも
・2%の損切りを守るならば
勝った時に、
・5%以上で利益確定行うことにより
トータルではプラスになるということになります。

 

当然、利益確定がこれより小さい場合には
トータルでマイナスになってしまいます。

 

これがまさに、
損小利大が大切な理由です。

 

損小利大を守れば、
勝率は低くてもトータルプラスに持ってゆけます。

 

一方、我々が通常やってしまうのは、
この反対の「損大利小」です。

 

計算の詳細は省きますが、
たとえ90%ののような高い勝率でも、
1回のトレードでの利益が少なく、
1回のトレードでの損失が大きければ、
容易にトータルマイナスになってしまいます。

 

いわゆる、コツコツドカン!ですね。
そこで、
なぜ損小利大を実行するのが難しく、
損大利小の行動になりがちなのか、
次に述べます。

 

(2)プロスペクト理論(損小利大の障害、心理的メカニズム)

トレーダーにとって
損大利小を克服し
損小利大を達成するには
このプロスペクト理論を理解しておくことが
大変重要になってきます。

 

多くのトレーダーが陥る「投資のワナ」
から脱出する方法
に関する重要なヒントが隠されています。

 

プロスペクト理論は、
ノーベル経済学賞を受賞した、
行動経済心理学者である、
ダニエル・カーネマン氏によって提唱されました。

 

ちなみに、プロスペクト(Prospect)とは、
もともと「期待、予想、見通し」を意味するものです。

 

行動心理学は、
「人間とはいかなる場合も合理的に行動する生き物なのではなく、
実は、様々な心理状態によって非合理的な行動を取ることがある」
ということを明らかにしました。

 

プロスペクト理論はさらにこれを具体化し

人は利益を得る場面では、
・「確実に手に入れること」を優先し

反対に、損失を被る場面では、
・「最大限に回避すること」を優先する

という行動心理を明らかにしました。

 

もっと簡単に言うと、この理論は、
「人は得をするよりも、損をしたくない思いの方が強い」
という心理を解明した理論であるといえます。

 

(3)プロスペクト理論 よく知られたコイン投げ実験

プロスペクト理論のもとになった
ひとつの心理実験を下に紹介します。

 

あなたも、実際にやってみてくださいね。

-----------------------------------------------------
以下の2つの2択質問に答えてください。

質問1「以下の条件でお金をあげます。どちらを選びますか?」

(1) 無条件で100万円を手に入れられる。
(2) コインを投げて、表が出たら200万円。裏が出たら何もあげません。

質問2 「あなたが抱える200万円の借金を、次の条件で軽減します」

(1) 無条件で、借金を100万円減らして、残りの借金は100万円になります。
(2) コインを投げて、表が出たら借金はゼロに。裏が出たら200万円のままです。
-------------------------------------------------

というものです。
さて、質問1と2のあなたの答えはどちらだったでしょうか。

 

質問1に対しては、
(1)を選んだ人が多かったのではないでしょうか?

 

私もそうですし、過去の多くの実験結果もそうなりました。

 

この場合、
どちらの選択肢でも手に入れられる金額の期待値は100万円なのですが、
多くの人がコイン投げ、というギャンブル性の高いゲームに参加せず、
確実に得られる金額を選択したということになります。

 

質問2に対しては、逆に、
(2)を選んだ人が多かったのではないでしょうか?
私もそうですし、過去の多くの実験結果もそうなりました。

 

この場合、
どちらの選択肢でも金額に対する期待値は-100万円なのですが、
多くの人は損失を抱えていると、
イチかバチかでも損失がゼロになる選択をしていると言えます。

 

このようにプロスペクト理論のもとになった実験では、
・利益を得る場合には確実にもらえる選択をし
・損失を減らす場合にはイチかバチかの選択をしている
と言えます。

 

トレードをイメージしてみると、つまり、
・「目の前の利益は早く確定」させ
・「損失は損失そのものを回避しようと粘ってしまう」
ということになりますね。

 

トレード経験のある人は、
身に染みて実感するのではないでしょうか?

 

(4)プロスペクト理論 トレードに及ぼす具体的影響

もう少し具体的にイメージしてみましょう。

 

エントリーがうまくいき、
利益がのっている場面を想像してください。

 

利益は出ているので、
心理的にはかなり楽なはずですが、
気持ちの中では2つの感情が相争っています。

 

「もう少し待って利確し、
これまでの損失をすこしでも挽回したい!」

「そろそろ反転始めるのではないか。
せっかくの利益を食われたくない!」

 

チャートを一生懸命ににらんでいるときには、
順行の動きが鈍ったり、
少しでも逆行するところを見ると、
急に不安にかられます。

 

これは、過去に何度も、
「もう少し早く利食っておけばこれだけ儲かったのに!」
という経験をしているためです。

 

これらの過去の経験が脳裏をかすめ、
目の前にある利益をとにかく確定させよう
とする心理がトレーダーに働きます。

 

私の良くやった「チキン利食い」
とよばれる行動です。

 

反対に今度は、
エントリーがうまくいかず、
なかなか利がのらない局面を想像してください。

 

たとえば、
エントリーポイント付近をうろうろとして、
そのうちに、
流れが完全に変わった気がし始めるものの、
マイナスのポジションを損切り出来ない。

 

そして、逆行の勢いが増し、
大きな含み損になっている局面です。

 

胃は痛み出し、胸は苦しくなり、
歯を食いしばって耐えています!

 

「できれば建値まで戻ってくれ」
「もう少し待てば、また流れが変わるはずだ」

 

エントリーは失敗だったかもと
認識しつつあるのですが、
目の前の損失をできるだけ小さくしたい
という考えが頭の中を占めます。

 

その結果、損失に耐えてしまうのです。

 

これはあくまで本人の希望的観測や
願望にすぎないのですが、

「少しでも損失を減らそう」

という事しか頭の中にないので、
合理的な判断が、損切りする判断が、
遅れてしまいます。

 

このように、
プロスペクト理論に従う心理行動は、
結局「損大利小」になってしまいます。

 

人間の心理にもとづくと、
ついつい「損大利小」に偏ってしまうのです。

 

プロスペクト理論が示す、
・「目の前の利益を早く確定させる」、
・「損失そのものを回避する」
という行為はいわば人間の本能のようなもの
と言えます。

 

しかし、トレードで勝つには
「損小利大」が絶対条件です。
頭ではわかっていても、実際にトレードすると、
プロスペクト理論があなたの心理を支配し、
「損大利小」になって負けてしまいます。

 

これを、いかにして「損小利大」に持っていくか、
これが勝負の分かれ目となります。

 

損小、を達成するにはこれまでに何度も述べて来た、
「損切り」が有効で、
これを体得するための工夫も示してきました。

 

・2%ルールや、
・資金管理法の適用
・逆指値の設定
などがありました。

 

では、利大、を実現する工夫はないのでしょうか?

 

そもそも、チャートを睨んでいるから
値動きに気持ちが揺さぶられてしまい、
プロスペクト理論による心理行動が、
本能が頭をもたげてくるのですから、

利益設定の指値をしておいて、
後はパソコンから離れる、
というのも手かもしれません。
実際私もよくやります。

 

あるいは、
本能を満足させてやることも必要かもしれません。

 

建玉(株数や枚数)のうち、
一部をある程度のところで利食いし、
残りを精一杯ホールドする、という手です。

 

例えば、2000株買ったとしたら、
千株だけ先に利食いし、
残りの千株はとことん持つ、などです。

ただしこの場合にも、
その結果が損小利大では仕方がないので、
利益確定の目処の計算に沿ったものでなくてはなりません。

(5)まとめ

トレードにおいては特に、
人は「合理的」な判断が困難です。
その非合理的な感情に負けると即損失につながります。

 

このことを常に意識しておくことが重要です。

 

勝っているときには、
リスクを抑え、
少しの利益で満足して、
トレードを切り上げることができます。

 

しかし、大きく負け始めると、
俄然ギャンブルに走り始めます。

 

リスクをだんだん大きくとって、
さらに損失を拡大させてゆくことにつながってしまいます。

 

こんな時には、
このプロスペクト理論を思い出さなくてはいけません。

 

今感じている痛みは自然の本能なのだ、
しかし、合理的なものではないのだ、
だから、その痛みの感情をなんとか解消しようとして
トレードしてはいけない、
合理的な判断に努めよう、
冷静になろう、一呼吸置こう、
という訓練の積み重ねが大事だと思います。

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